［猫］二十歳の猫、20年9ヶ月

命には本当に限りがあるんですね。

二十歳の猫さんは
ずーっとそばにいてくれるような気がしていたけれど、

２０１８年９月６日２０時２０分

家族皆に看取られながら、
静かにその生涯を閉じました。

夏休みの終わりに・・・

夏休みが終わるその週から食欲が落ちた猫さん。

欲しがるけれど、何をあげてもひと舐めするだけ・・・

あのちゅ〜るでさえも。

飽きちゃったのかな？もう我儘なんだからって、

まだ少し楽観的に、猫さんが食べそうな珍しいものはないかなぁ

と色々探してあげてみたけれど

どれも食べようとしないので、みるみる痩せて行くその姿。

１日（土）に行った動物病院。

最後の病院。

クタッと寝ている様子を見て、『ずっとこうですか？』と。

その時はまだヨロヨロながらも、

お風呂場へお水を飲みに行ったり

お風呂の蓋に上がって寝ていたりしたから、

まだ大丈夫と思っていたけれど。

今思えば、

もうその日が近い ことを先生は分かっていたみたい。

『ゴールデンウィークからもう４ヶ月ですからね』って

いつも寡黙な先生が、そう呟いていたから。

水曜夜、とうとう立ち上がることも出来なくなった猫さん。

翌木曜日、休暇を取りずーっと一緒に過ごした。

もっと早く、ずーっとこうしてそばにいたかった。

語りかけたり、体を撫でたり、寄り添って寝たり。

夢と現を行ったり来たり・・・

でも時に、何かもの言いたげに

しっかりと私を見つめ返した変わらぬ大きな瞳。

夕方、そろそろ皆が帰って来るねと

クタッとしている猫さんをカゴに寝かせ、

風に秋の気配を感じながら

黄昏行く空を眺め過ごしたルーフバルコニー。

猫さんは顔を上げて周囲を見回し

時々何かに目を奪われ大きく見開いたりと

生き生きとした表情を見せてくれた。

そんな表情を見たら、

もしかしたら・・・もしかしたら・・・ って、

思ってしまうよね。

猫さんのいない家

３月の重度の貧血状態発覚から
いつでもすぐに病院に行けるよう
キャリーケースの定位置だった１階の階段。

LDKに入ると、
そこにいてくれた当たり前。

でーんと占領していた
ソファの真ん中。

生の源、
ゴハンスペースとトイレスペース。

気付くとそこに佇んで
水が出るのをじっと待つ姿。

座っていると、
水を飲み終えお風呂場から出て来て
今にも私の元へと歩いて来そうだよ。

扉を少しだけ開けておく癖は

中々直りそうにないね。

９月６日（木）

皆が帰って来たので戻ったLDK。
いつものソファの真ん中で、
静かに夕食を見守ってくれていた猫さん。

夕食が終わり束の間寛いだ時間。
夫が食器を洗い始め、娘が自室へ行き
私はちょっと１階へ。

少しして２階へ戻って来たら、
静かだった猫さんの呼吸が荒くなっていた。

慌てて娘を呼び、家族で見守った数分間。
猫さんは逝ってしまいました。

夏休み中だと、娘ひとりが看取ることになるからと
終了するまで頑張ってくれ、
最期の時は皆の食事の終わりを見届け

『皆、もういいかな？そろそろ逝くよ』

って、そう言って亡くなったみたい。
私たちに悔いを残させないように。

確かに。
４年４ヶ月前に、病気知らずだった弟猫が亡くなった時は
『なんで死んじゃったの？』って。

でも猫さんには、

もう大丈夫だよ

心配しなくていいからね

今までありがとう

と、
そう心から言うことが出来たよ。

長いようであっと言う間だった２０年９ヶ月。
ずっと私の心の支えになってくれてありがとう。

ただの猫好きだった無知な私の
私だけの猫さん になってくれて本当にありがとう。

猫さん、
猫さんは幸せだった？
私の猫さんになって幸せだったのかな？

私は猫さんに出会えて本当に嬉しかった。
２０年以上一緒に過ごせて本当に幸せだった。
猫さんも、そうだといいな。

天国で弟猫と無事会えた？

『姉ちゃん、遅過ぎ！』って怒られてるんじゃない？

私の大切な猫さんたち